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2023.08.21

【解決事例】人工妊娠中絶手術後に不誠実な対応を取った相手方から、交渉により相当額の解決金を獲得できた事例

依頼された方

・20歳代
・女性

相談までの経緯

相談者は、結婚することも視野に入れて交際していた男性との間の子を妊娠しましたが、相手方との数度の話し合いの末、人工妊娠中絶手術を行うことを選択しました。
相談者は、手術の前後頃までは相手方が親身に対応してくれていたので、手術以後も相手方と良好な関係を築けていけるものと思っていました。
しかし、手術後、相談者が中絶をしたことによる罪悪感を一人で抱えて悩み苦しむ中で、相手方からの連絡は次第に減っていき、術後1か月程度で、相談者が連絡をしても相手方は何の返答もしてこなくなり交際は終わりました。
相談者は、相手方が手術の前後で態度を豹変させ不誠実な対応を取ってきたことにとても傷つきましたが、他方で、相手方に対して強い行動にも出れず悩みを抱えていました。
しかし、時間をかけて考える中で、今回のことを一人で背負い込むことはおかしいと思うに至り、対応策を検討するため当事務所にご相談に来られました。

相談後、当事務所弁護士が対応した結果

相談者からは、慰謝料請求の交渉代理でご依頼をいただきましたが、本件においては、双方合意の上で人工妊娠中絶手術を実施している以上、中絶手術に至った点に関して相手方に慰謝料を求めることは法律上困難であろうと思われました。
しかしながら、弁護士は、他の裁判例を検討し、相手方が、中絶手術前後に、手術を選択することによって依頼者が被った身体的精神的な苦痛や不利益を依頼者のみに負わせるような不誠実な対応を取ったような場合には、その行為は依頼者に対する違法な権利侵害に当たるものと判断しました。
そのことから、弁護士は、相手方に対し、その不誠実な言動によって依頼者が被った精神的苦痛の慰謝料を支払うよう求め交渉に及びました。

交渉を繰り返す中で、最終的には、双方譲歩の上で紛争解決を図ることとなりましたが、結論としては、ご依頼を受けてから3か月程度で、相手方から謝罪を受け、相当額の解決金を支払ってもらうかたちで依頼者の希望に沿う解決を図ることができました

弁護士からのコメント

本件では、依頼者の「提訴してでも謝罪を求めたい」というご意向を踏まえ、相手方サイドとの交渉を進めました。
解決金の額については譲歩を含むものになりましたが、提訴し紛争解決に時間をかけた場合の精神的な負担を考慮いただき、最終的には、依頼者の方にとってもご満足いただける内容で紛争を解決を図ることができたように思います。
前記のとおり、人工妊娠中絶手術前後の男性側の言動に関する慰謝料請求については、当事者双方が合意の上で手術に至ることが通常であるため、裁判例上、慰謝料額についてそこまで高額な金額が認められる事例は多くないように思われます。
しかし、手術前後の男性側の言動に傷つき、悩みを抱える方の中には、事案についてほとんど誰にも相談できず一人で抱えてしまっているという方も多いように思います。
そのような方に対し、弁護士として、慰謝料の獲得など法的な面でサポートを差し上げることができる場合もあり、それにより、その方にとって少しでもお気持ちの面でプラスになるという場合もあるように思います
同様の事案でお悩みを抱えていらっしゃる場合には、一人で悩まず是非ご相談をいただけたらと思います

依頼者の方からもアンケートにて感謝の声をいただけましたので、以下に掲載いたします。

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