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2023.08.01

【解決事例】不貞慰謝料請求訴訟において、探偵に要した多額の費用の賠償を求める相手方の主張を退けて有利な内容で解決できた事例

依頼された方

・50歳代
・女性

相談までの経緯

相談者は、以前、当事務所の弁護士が関与して夫と離婚された方でした。
相談者は、元夫との婚姻中、不貞行為に及んでしまったため、以前の離婚に関する交渉・調停の最中から、慰謝料請求を受けていましたが、相談者は、元夫に不貞行為が発覚した際に、探偵に要した調査費用も込みで100万円を超える相当額の金銭を支払っていました。
そのことから、弁護士は、離婚についての交渉・調停の中で、「不貞行為に関しては、既に相当額の賠償金を支払済みである。」という主張を繰り返し行っていましたが、元夫は、不貞慰謝料の点について自身の主張を明確にはせずに、それ以外の問題について決着をつける形で、両者は調停離婚しました。

もっとも、その後に元夫が提起した不貞行為について慰謝料請求訴訟において、元夫は、相談者が既に支払った金員を計算に入れずに200万円の慰謝料と、それに加えて探偵に要した数百万円に及ぶ費用を損害額に追加して、それらの支払を求めてきました。

相談者は、既に相当額の賠償金を支払っているのにさらに莫大な賠償をしないといけないのかとの不安から、当事務所へご相談に来られました。

相談後、当事務所弁護士が対応した結果

訴訟代理についてご依頼を受けた弁護士は、訴訟においては、基本的に探偵を依頼するのに要した調査費用は基本的に証拠収集のための費用であって不貞行為によって生じた因果関係のある損害とは言えないことを主張して争い、仮に調査費用の一部を損害額に含むとしても、当事者間では不貞行為の発覚時に既に調査費用を含めた相当額の賠償金を合意の上で支払済みとなっていることについて適切に主張立証をし、原告の請求を棄却するよう求めました。
また、本件では、原告が既に依頼者の不貞相手から相当額の慰謝料の支払いも受けていたことから、慰謝料算定の際にはその金額も差し引くよう求めました。

その後何度か期日が重ねられた結果、最終的には、双方譲歩して和解で紛争を解決することとなりましたが、結論としては、和解金を当初の原告請求額の1割程度まで抑えられ、依頼者にとって有利な条件での解決を図ることができました

弁護士からのコメント

本件では、請求額を大幅に減額させる依頼者の方にご納得いただける結果を提供できたので、弊所としても大変うれしく思っております。

不貞慰謝料請求については、原告が、単に不貞行為に及んだことによって生じた精神的苦痛を慰謝料の形で賠償するよう求める請求のほか、慰謝料とは別に、調査会社を依頼するのに要した費用を損害として上乗せして賠償請求してくる場合があります。
このような事案の場合に、調査費用が不貞行為と相当因果関係ある損害に含められるかという点については、裁判例においても結論が分かれているところであり、その事案ごとに適切な主張立証をしないと、ややもすると損害額が不相当に過大な額に認定されかねません
今回の事案では、当事者間に存した事実関係を早期に適切に説明することで、裁判のより早い段階で依頼者に有利な心証を裁判官に形成させることができたことが良い結果を提供できた要因であったと思います。

依頼者の方からもアンケートにて感謝の声をいただけました。

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