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2022.09.06

離婚の手続について

離婚の手続について

離婚を具体的に検討されている方の中では、そもそも、どうすれば離婚ができるのか、離婚をするためには何を取り決めればいいのかについて、よくわからないと思う方も少なくありません。
そこで、本コラムでは、離婚の手続や進め方などについて説明をしたいと思います。


離婚の種類

離婚の種類には、主に「協議離婚」、「調停離婚」、「裁判離婚」の3つがあり、通常は、協議離婚をするために夫婦で話し合いをするという方する方が多いと思われますが、話し合いが平行線でうまくいかないなど協議を継続しても離婚の成立が望めないと感じる場合には、裁判所を舞台に調停離婚することを試み、それも難しいとなった場合、裁判離婚をを目指していくことになります。

・協議離婚の特徴

協議離婚は、離婚届出用紙に夫婦それぞれが署名押印し、役所に提出し、それが受理されたときに離婚が成立するという形の離婚の方法です。

離婚することと、(お子様がいる場合には)お子様の親権者を夫婦のどちらに指定するかということについて夫婦双方の意思が合致していれば、離婚届を提出して協議離婚することは可能ですが、将来のことを考えて養育費や財産分与のことなどを取り決めないと不安だ、という場合には、離婚届の作成とは別に離婚協議書等の書面を作成し諸条件の取り決めを行うことをお勧めします。

協議離婚は、話し合いによって夫婦の実情に応じた柔軟な解決が期待できる一方、そもそも離婚を希望する者同士が離婚に関する諸条件についてまともな話し合いができない場合も多く、


 「とにかく離婚がしたかったからお金のことは何も取り決めなかった。」
 「養育費は口約束で決めただけ。」
 「相手に言われるまま、裁判上の相場より悪い条件で離婚協議書にサインをしてしまった。」

など、後々トラブルになったり、後悔をしたりという方も少なくありません

また、協議離婚の場合には、頼りになる親族等の関係者がいるときにはそれらの方を間に入れて話し合いを進めていくことも可能です。
しかし、離婚の問題は、背景に夫婦間の強い感情対立があることが多いため、親族を間に入れても、夫婦のみならずそれぞれの親族間で言い合いが始まるなどして余計に溝が深まる結果となったり、ストレスを抱えることも多いのではないかと思われます。

協議離婚は話し合いによって柔軟な解決を期待できる点に良い面がありますが、将来のトラブル予防などのためには、離婚事件に注力している弁護士などによく相談をしながら事を進めることをお勧めします

なお、女性の方が協議離婚を検討される場合に検討すべきことについては、別の記事「女性が離婚を考えるときにまず検討すべきこと」でも詳しく説明しておりますので、ご参照ください。


・調停離婚の特徴

相手方との話し合いを続けても離婚の話がうまく進まな場合には、裁判所に離婚調停を申し立て、調停離婚により結論を得ることを選択するのもよいでしょう。

離婚調停は、中立な立場の調停委員が当事者の間に入り裁判所の一室で離婚のための話し合いをする手続で、話がまとまり調停成立となれば、調停成立の日に離婚が成立します。
調停委員や裁判官の意見を聞きながら、相手方の同席なく話し合いを進めることができる点がメリットですが、調停は、1回の期日で話がまとまらなければ、1か月から2か月くらいに1回のペースで開かれる期日を重ねながら話し合いを続けていくためその分事案が長期化しやすいというデメリットがあります。
また、調停は、話し合いで合意することによって紛争を解決していくという点で協議離婚の場合と共通していますが、延々話し合いを続けられるというものではなく、裁判所が、当事者間に合意成立の見込みがないと判断した場合には、裁判所の側が調停を不成立にするということもあり得ます

したがって、裁判離婚の手続まで行かずに離婚をしたいとお考えの方の場合には、離婚調停で話し合いができる機会を無駄にせず、法的に相当な結論というものを見据えながら話し合いによってを妥当な解決を図っていくということを検討する必要があろうと思いますので、離婚に注力している弁護士に相談をしながら対応に当たる方がよいでしょう。



なお、離婚調停の申立てを検討せざるを得ないほど離婚の話し合いがこじれているような場合には、離婚を前提とした別居の検討をお勧めします。
相手方と別居することによって精神的な負担が軽くなる上、別居というこれまでの現状を大きく変更する行動に出ることがプレッシャーとなって相手方の態度が次第に変わっていき離婚の話し合いが進んでいくということも期待できます。
また、裁判離婚の手続に突入した場合、離婚判決を得るためには裁判所に法律上の離婚原因があることを認めてもらう必要があるところ、相手方と長期間別居していることは、離婚原因があることを基礎づける大きな事実になりますので、相手方との別居は、裁判離婚をすることを見据えた上での準備にもなります。
別居に当たり不安に感じることがおありの場合には、離婚事件に注力する弁護士に相談することをご検討ください。


・裁判離婚の特徴

協議、調停でも折り合いがつかない場合、こちらが主張する条件では相手方が離婚に応じないという状況であるため、その中で相手方との合意によらずに離婚するという結論を得るためには、離婚訴訟で勝訴判決を得て裁判離婚するのを目指すことになり、離婚を認める判決が確定すれば法律上離婚の効果が生じます(離婚の裁判と併せて必要な申立てをすれば養育費や財産分与などの諸条件について判決で裁判所の判断を示してもらうこともできます。)。

先ほども触れましたが、裁判において離婚判決を得るためには、裁判所に法律上の離婚原因が存在することを認定してもらう必要があります。
そのため、実際の裁判では、民法770条1項に列挙されている「不貞な行為があった」ことや「婚姻を継続し難い重大な事由がある」ことなどの離婚原因が存在することを的確に主張立証していく必要があります。
的確な主張立証がなされていなければ裁判所に離婚原因が存在することを認めてもらえず敗訴するということも十分あり得ますし、離婚訴訟は調停までと異なり書面審理が中心になり、ご自身の主張をきちんと書面で示す必要があります。
そのことから、離婚訴訟で離婚の結論を得たいとお考えであれば、弁護士への依頼を具体的に検討されるべきでしょう。

まとめ


3種類の離婚の手続について、それぞれの特徴を交え簡単にご説明いたしました。
いずれの手続も、ご自身のみで対応していくことは可能ですが、人生における大事な事柄についての決断、取り決めになりますので、後々、「こんなはずじゃなかったのに。」と後悔されないためにも、事前に弁護士に相談をしながら慎重に事を進めていくことが良いでしょう。

あかし興起法律事務所の弁護士渡邉友は、これまで多くの離婚案件に携わってきましたので、離婚手続についてどのように進めていけばいいのかわからないとお悩みの方に的確なサポートを差し上げることが可能です。
離婚事件については初回法律相談1時間無料となっておりますので、お悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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